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121: フィジカルの強さがすべての基礎になる(関西学院大・小樋山 樹監督)



2023年12月の大学選手権・準々決勝で王者・帝京大学と対戦し、「フィジカルの差」を痛感したという。京都大とは定期戦や関西リーグで切磋琢磨してきた歴史を持ち、2028年の100周年を目指して強化を進める関西学院大の小樋山樹(こひやま・しげる)監督に話を聞いた。




――現役時代や監督として対戦した京都大学の印象は


(小樋山)現役の時は春シーズン最初の対外試合が京大との定期戦だった。「いよいよ今年も始まった」と気持ちが盛り上がった。

現役時代も、そして監督になってからもそうだが、京大はいつもひたむきにプレーする印象が強い。一生懸命タックルして、走る。関学もひたむきにディフェンスに体を張るチームを目指しているので、勉強になることが多い。

監督に就任した2020年はコロナ禍で定期戦が中止になった。翌2021年は灘高校グラウンドを借りて試合をし、久しぶりに負けた。ベンチの応援の盛り上がり、いいプレーが出るたびに一体感がすごくて、「いいチームだな」と感じた。


2023年関西学院大学との定期戦集合写真。(京大宇治グラウンドにて)

定期戦後のアフター・マッチ・ファンクション


――京大が強化すればいいと感じるところはあるか


(小樋山)そんなことを言う立場ではないが、あえて挙げれば、ラグビーは格闘技の要素が大きい。体重を重くして、筋力が強いと相手に圧力をかけて前に出ることができる。フィジカルの強さがすべてのベースになる。

関学大に入学した1回生と上級生では筋力が全然違う。筋トレは1年を通して週5~6回行う。


2021年7月の関西学院大学定期戦


――関学のチームの体制は


(小樋山)練習メニューは伝統的に学生主体で、リーダー陣とコーチで一緒に考えて決めている。4人の社会人コーチが来る週末はコーチが決めることもあるが。常勤は監督、S&Cコーチ、メディカルの計3人。FWコーチの一人はNTTドコモ出身でトップレベルのプレーを経験している。

監督になってから関西リーグでは4位、8位、4位、3位と上位に入るようになってきた。ただ、これはOBが築いてくれた長い歴史の積み重ねがあって今がある。しんどい年ももちろんあったが、どの1年がなくてもたどり着けなかったと思っている。

OBと話をする度ごとに、「昔はどうだった」と教えてもらい、歴史の重みを感じる。コロナ前にはOB会役員が現役を食事に招いてくれたり、4回生が寄付のお願いにOB回りをしたりした。これも絶好の機会になっている。




――100周年に向けて


(小樋山)まずはリクルートに力をいれて動いている。式典などの準備も進めていく。

リクルートについては、関学高校の生徒がほとんど大学に上がってくる。選手をやめてもスタッフとしてかかわる学生もいる。また、試合をした相手高がキャンパスに憧れてくれるケースもある。高校生は関学が学生主体で運営し、勉強も頑張って人間として成長できる文武両道のところに魅力を感じてくれるようだ。指定校推薦のある学校にも足を運んで受験してもらうように取り組みたい。

日本一になるために、関学の強みを考えた時に、「関学(KG)ファミリー」の存在だと改めて認識した。今シーズンから週1回、高校と大学全員の合同練習を考えている。大学だけでなく、みんなで強くなっていきたい。これまでも高校が強い時は大学も強い。



――学生スタッフの内訳は


(小樋山)卒業する4回生を除くと約20人おり、「マネジャー」「トレーナー」「サポートコーチ」に分かれている。マネジャーは広報、会計、グッズ販売など。トレーナーはフィジカルとメディカル。サポートコーチはレフェリーやアナリストなどだ。アナリストは最近できた。

スタッフがいないと回らないので一番大切だし、選手たちより大変な部分もある。モチベーションを保つように、監督からも意義を発信していきたい。



――5年目に入る監督業の面白さ、難しさは


(小樋山)面白さは、学生が日々悩みながらも成長していく姿を見られること。

実際には難しさしかないが、スタッフ陣が優秀なおかげでチームが成り立っている。



――学生の生活は


(小樋山)寮はないので、自宅と下宿で半分ずつぐらい。学食での朝食バイキングをこれまで下宿生中心に実施していたが、今シーズンは全員でやろうと思っている。練習後はパンやおにぎりの補食を部で補助している。

練習は夕方5時半か6時から。8時30分にはグラウンドの照明を消さないといけない。キャンパスにグラウンドがあるのは助かっている。離れていると本当に厳しいと思う。三田キャンパスに通う選手はかなり少ないが、昨年4回生のSHは苦労してAチームで出場していた。最後は自分次第だ。




――U20に選ばれた選手が多い


(小樋山)全体練習後も残って楽しそうに練習している選手が多い。育てる文化ももっと強くしていきたい。



――準々決勝で対戦した帝京の強みは


(小樋山)フィジカルが抜きんでている。プロでプレーしていた時に帝京のメニューをこなそうとしたが、最後までついていけなかった。それを4年間積み上げているうえに、選手のスキルも高い。スクラムの強さ、勝負強さもあるし、環境もある。寮があって食事が提供される。今まで積み上げてきたもので、今すぐ真似するのは難しいだろう。

ただ、通用した部分も随所にあった。では今年、どう勝負するか。

関西のレベルも上がっている。選手権に出るのも大変で、秋シーズンは毎日、心臓が痛い。



▼小樋山樹さんのプロフィール

1989年10月生まれ。関学高で高校日本代表に選出。2008年に関学大入学。卒業後、栗田工業ウォーターガッシュ、NTTドコモレッドハリケーンズでプレー。2020年4月に関学大監督に就任した。



2024年1月19日取材

取材:奥村健一(H2) 撮影:西尾仁志(H2)


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