Dark Blue Lionsパワーソックス開発の物語/西垣靴下株式会社(H29 中井 友也)

更新日:7月22日

令和4年5月29日(日)、成城大学との3年ぶりとなる定期戦。この日が「Dark Blue Lionsパワーソックス」のお披露目の日となった。今回は奈良の中小企業と京都大学ラグビー部が共同で取り組んだ、画期的な“ラグビー用ソックス”の開発についての物語をお届けしたい。


「Dark Blue Lionsパワーソックス」のチラシ
Dark Blue Lionsパワーソックスチラシ
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全国の靴下生産の7割をも占めるといわれる奈良県。県中西部の大和高田市に西垣靴下株式会社はある。社員数45名。決して大所帯とはいえないが、高い技術力と斬新なアイデアで「疲れしらずの靴下」「運動する靴下 “Varie x cross”」など多くのヒット商品を世の中に発信してきた。


「技術を応用してラグビー用の靴下も作れませんか?」放送局営業部員として同社に出入りしていたH29卒の中井(LO)が雑談の中で切り出した。スポーツ用品店にはメーカーごとに多くの種類のスパイクが並び、季節ごとにモデルが入れ替わる。こだわりを持つプレーヤーも多い。一方でソックスはどうだろう?練習では安いものを履きつぶし、試合ではチームで共通のものを使うことに疑問をはさむ余地はない。ラグビーにおいて数少ない装備品であるソックスなのにあまりにも軽んじられていると、同社の靴下を見てきた中井は違和感を持つようになっていた。西垣靴下の技術力があれば、これまでにないラグビー用ソックスが生まれるのではないかと思うようになっていた。


令和3年夏、“ラグビー用ソックス”開発への挑戦が始まった。渡邊(HO)、加清(FB)、村田(MG)らを中心とした京大ラグビー部の開発担当メンバーと、西垣靴下とで、従来のソックスへの不満や、“新製品”に望む機能について、またそうした機能を搭載するためにどのような工夫が可能なのか検討を重ねた。試作品を作っては、実際に着用しフィードバックをするという地道な作業がおよそ半年にわたって続いた。


西垣靴下本社にて打合せ
靴下製造について学ぶ渡邊主将


ついに完成した「Dark Blue Lionsパワーソックス」は前述の成城大学戦にて初披露されることとなった。足裏全体に配置されたすべり止めと、編み込みすべり止めによって生み出される大きな摩擦力、従来にない足袋型が特徴の正真正銘の“ラグビー用ソックス”である。


成城大学との定期戦。スクラムで威力を発揮

効果はスクラム・モールにおいて顕著に表れた。終始、京大FWが成城FWを圧倒。スクラムを起点としたトライ、モールでのトライも生まれた。開発チームの渡邊は2トライ、加清もMOMを獲得するなど、堂々の活躍だった。


また、高機能ラグビー用ソックスの効果は意外なところにも表れた。5月としては異例の暑さで迎えたこの試合、成城大学側に足をつる選手が続出する一方で(そのことで開発チームの一員でMGの村田はグラウンドを走り回ることになった)、京都大学側にはほとんどそういったことは見られなかった。これも、ふくらはぎ部分に医療器具並みの段階着圧を備えた新靴下の効果といえるだろう。


初試合を終えて実際に着用した渡邊も「スクラムの押しが変わった」と効果を実感。新靴下の出来に胸を張った。


今回のプロジェクトで生まれたのは決して“ラグビー用の新ソックス”だけではない。大学のいちクラブと中小企業とが手を組んで、世の中にないものを作り出したことこそ、今回の取り組みで生まれた最も革命的なことだといえるだろう。

試合終了後、西垣社長・矢羽野氏と記念撮影

強豪私立もいる関西Bリーグにおいて、国立大学である京都大学が勝ち上がるのは決して容易なことではない。日ごろの鍛錬に加えて、こういったグラウンド外の取り組みがAリーグ昇格への道となるであろう。今後の京大ラグビー部と“Dark Blue Lionsパワーソックス”のさらなる活躍に期待したい。


最後にこの場を借りて、開発にご尽力いただいた西垣社長、矢羽野氏をはじめとした西垣靴下株式会社の皆さまに心より感謝を申し上げたいと思います。西垣社長はご自身もラグビー好きであることから、靴下に必要な強度やすべり止めなどについてご意見をいただきました。矢羽野氏には開発にあたっての部との架け橋の役割を担っていただき、部の魂である“ライオン”のデザインにも工夫をいただきました。改めて厚く御礼申し上げます。


開発チームで記念撮影 左から中井、矢羽野氏、村田、西垣社長、加清、渡邊(敬称略)

>西垣靴下株式会社のホームページはこちら



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