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012: クラブハウスを作ろう!企画〜発注編(S48 石田 徳治)

更新日:2021年11月26日

 平成24年(2012年)3月26日に無事、宇治市役所や京都大学の確認検査が完了し、クラブハウスの竣工にこぎつける事が出来た。下の写真は、竣工式後、現役にクラブハウスの引き渡しを行った際のものである。



 クラブハウス構想から竣工まで、以下のような段階を経た5年弱の期間であった。


・宇治グラウンド芝生化(平成19.6)から5年弱

・第3回京都大学ラグビーフットボールクラブ定例評議員会(平成20.2)で基本的な承認を受けてから4年

・宇治グラウンド総合整備第2次募金に対する寄付(平成21.7)募集開始から3年弱

・学生課から施設課に大学担当が代わり、発注準備に移行(平成23.5)から10カ月


その時期毎に、様々な課題が山積みだったが皆さんの協力を得てクラブハウス建設は実現に辿りつくことができたので、その経緯をそれぞれの時期に分けて、振り返ることにする。


宇治グラウンド芝生化から(平成19年6月〜)


 宇治グラウンドの芝生化が実現し、一部のスペースには人工芝も敷設した。しかし、合宿所の老朽化は著しくミーティングを行う十分なスペースも無い、当然ながらアフターマッチファンクションも1km以上離れた京大の施設を借りるなどしている状況で、ラグビーが持つノーサイドの良さやそれに基づく各校現役・OBを中心とした交流を活発に行うには、ほど遠い環境であった。

 和田会長ほかからも「ラグビーの源流である英国などでは芝生のグラウンドと、その横に立つクラブハウス(Rugby Hut)が必ずあり、それがセットでラグビーフットボールの良さが満喫できるものであり、それが無ければチームが強くなる事も難しい」というご意見もいただいていた。

これらの意見を受けて、執行幹事のメンバーが中心となって、喧々諤々の議論を始めた。その結果、今の合宿所を建て替える事は、大学側の事情や費用の面から当面は無理との判断から、「是非クラブハウスを作ろう!」ということになり、


● どんなクラブハウスがいいだろうか?

● 更衣室やシャワー室なども含めた宇治総合整備のシナリオをどうするか?

● 大学の協力は得られるのか?

● 予算はどれくらい必要か?

● どのようにして資金を用意するか?

などの検討を行い、その集約結果をまとめて、平成20年2月の第3回定例評議員会にクラブハウス建設の提案を行った。そして、承認を受けて次のステップに進む事になった。



第3回定例評議員会で基本的な承認を受けて(平成20年2月〜)


クラブハウスのイメージパース

 この段階から、ラグビー部OBで建築デザインが専門のS62卒・小泉さんがクラブハウス建設の企画に加わり、具体的なレイアウトや概要の設計を作成してくれたので、それを基にプランつくりを進めた。

 大学とは、基本的な進め方の確認や協力の願いを、宇治市とも事前の確認を進めた。一方、リーマンショックが起こり、資金確保もより厳しい状況にあったが、クラブハウス建設竣工を平成22年度中に目標設定し、宇治グラウンドを芝生化した時と同様に、大学に募金枠を作りクラブ員などから寄付金を募り、それを資金として大学にクラブハウスを建設してもらう方式を採ることにした。

 クラブハウス建設のラフな青写真ができつつあるので、クラブ員各位への説明や意見交換を行うこと、そして現役の意見を反映したクラブハウスにすることが最も重要だと考え、執行幹事会に加えて、各地でミニ集会を行った。

 東京では「竹ちゃん」、大阪では「弥生会館」、名古屋では「Café Liseron」と京都の「静」を思わせるお馴染みの居酒屋に老若のOBが集まり、クラブハウス建設の是非、現役強化のあり方、若手の意見の活用など、各種の意見を飛び交わせ、京大ラグビー部への皆さんの熱き思いが満ちたディスカッションとなった。「京大ラグビーは秘密結社なので秘密基地が必要、それがクラブハウス」というユニークな意見もあり、大勢は中長期的観点からクラブハウス建設には賛成という集約を行うことができた。


 さらに現役、マネージャからのヒアリングを実施し、それらの集約を臨時執行幹事会で行い、その結果を踏まえて平成21年7月に、京都大学ラグビーフットボールクラブ各位にクラブハウス建設に向けた宇治グラウンド総合整備第2次募金を行うこととして書類を作成、クラブ員に送付しクラブハウス募金を開始した。

 その際の目標金額は3300万円(予備費300万円を含む)、平成23年春完成を目指すとし、平成24年に迎える京都大学ラグビー部創設90周年に向けた記念事業の一環として位置づけ、協力、賛同をお願いした。


宇治グラウンド総合整備第2次募金開始(平成21年7月〜)


 募金の開始に合わせて、クラブハウス建設具体化の検討を行う目的で「クラブハウス建設準備委員会」を設立した。メンバーとしては宇治グラウンド総合整備担当の石田副会長、清野部長、湯谷監督、当初から設計をお願いしてきた小泉さん、今井さん、坊主家業で寄付案件が得意の(?)清さんなどが当たった。


 募金の集まり状況は、世の中の不況のあおりを受けて厳しく、結果的には当初の目標であった平成23年春での完成から1年遅れの平成24年春にずれ込んだが、大学からのインフラ整備の協力、什器備品としてキッチン、会議室の机や椅子、デッキ材などの現物寄付をOBからいただき、なんとか資金調達を全うすることができた。


現物寄付でいただいた長机やキッチンなどの備品

 この段階から、具体的な設計・積算業務、入札書類の作成などを担当する設計コンサルタントを小泉さんと大学同期の松本様の会社である(有)キアラ建築研究機関にお願いすることにし、クラブハウス竣工まで諸種の協力をいただいた。









学生課から施設課に大学担当が代わり、発注準備に移行(平成23年5月〜)


 資金も集まり、いよいよ建設業者の入札となったが、1回目の入札は不調に終わった。これは大学が設定した入札業者の制限が厳しかったことが原因で、2回目はそれを緩和してもらい、やっと地元の業者に落札されたのは11月である。

 それから工事が始まったのは秋シーズンも終わりに近い11月下旬からで、それから約4カ月で竣工にこぎつける事が出来、何とか京都大学ラグビー部創設90周年の記念式典ではクラブハウスも活用できそうである。

 これで各位の思いを込めたクラブ員の帰属意識の原点ともなるクラブハウスの箱モノはできたわけであるが、これから10年後の100周年に向けて各種のソフトウェアなども充実させて、皆さんに愛されるお馴染みのクラブハウスになっていくことを切望している。



S48年卒 石田 徳治(京大ラグビー部九十年史より再編集)




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