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065: 第99回 京大 VS 東大定期戦を秩父宮で開催(2021年12月19日・東大ラグビー部創部100周年記念試合)

京大・東大の第99回目定期戦が、東京大学ラグビー部の創部100周年記念試合として、秩父宮ラグビー場で開催された。熱戦を繰り広げたA戦・B戦・C戦3つの試合を、両大学の監督・各チーム主将のコメントと映像でレポートする。

2021年12月19日(日) 第99回京都大学VS東京大学定期戦 於:秩父宮ラグビー場
東大ラグビー部創部100周年記念試合ということもあり、多くの観客で賑わったスタンド席。
京都大学A(17-22)東京大学A 試合終了間際に逆転され、惜敗。


A戦

レフリー:山本 哲士

<試合結果>

京都大学A  17-22  東京大学A

前半  5-5

 後半  12-17


<メンバー>

【京都大学A】

【東京大学A】

1.和氣宏典(3)東海

1.後藤達哉(3)宇都宮

2.渡邊将太(3)県立浦和

2.齊藤海杜(4)県立千葉

3.山田康策(5)明和

3.笹俣凌(3)駒場東邦

4.佐竹開斗(3)県立浦和

4.松本純輝(4)聖光学院

5.森本智仁(4)愛光

5.永山隼平(4)日比谷

6.高原彰吾(4)大阪桐蔭

6.松元暢広(3)湘南

7.笹井亮志(3)膳所

7.北野公一朗(4)西大和

8.中山脩(3)灘

8.今塩屋亮太(4)桐光

9.久家杏太(3)済々黌

9.津田遼大(4)北野

10.村上敬一朗(2)神戸

10.杉浦育実(4)本郷

11.酒井寛太朗(4)東大寺学園

11.垣内太朗(4)桐光

12.宮原正重(3)灘

12.五代勢弦尚(3)都立青山

13.水野武(4)西大和学園

13.杉井智哉(3)浦和

14.加清渓太(2)都立青山

14.甲斐豊(4)湘南

15.松本和樹(4)県立浦和

15.桑田昴(1)日比谷

16.小向拓未(2)開明

16.石田健太郎(4)日比谷

17.宮田墾(M1)金沢桜丘

​17.三方優介(3)浦和

18.佐藤孔明(2)清真学園

18.池上暁雄(1)International School Bangkok

19.梅園倫太郎(2)神戸

​19.岩下大斗(3)桐光

20.朝比奈佑紀(2)神戸

20.吉田有佑(4)明和

21.伊藤佳樹(5)明和

21.魚住承吾(4)六甲学院

22.野澤朋仁(1)北野

22.財木一多(3)開成

23.大鶴健(1)灘

23.鈴木陸人(2)浦和

24.平手佑季(4)一宮

24.佐川正憲(3)札幌南

25.加藤聡(4)明善

25.大山修蔵(3)県立千葉

26.荻野晃平(3)静岡

▼2021年度・水野組 第99回東大定期戦 A戦ダイジェスト映像はこちら

映像協力:東京大学



京都大学コメント


溝口 正人監督

 今シーズンの最終戦。東大さんが創部100周年ということで秩父宮ラグビー場という最高の舞台をご用意いただいた。目標は最後の最後まで成長すること、そしてA戦、B戦、C戦の三戦全勝を目指した。


 京大ラグビー部の100周年サイトの東大特集で「タックルの東大、展開の京大」という見出しがあったが、本日のゲームはその真逆の展開となった。自陣からでも外まで展開してくる東大に対し、前に出るデフェンスでそれを凌ぐ京大。前半はお互い譲らず5-5のイーブンで折り返す。

 後半もこの展開は続くが、東大の大型FWの圧力と執拗なまでに展開してくる攻撃に、スクラムがやられ出し、ハイタックルなど多くのペナルティをしてしまう。結果、自陣でのペナルティからゴール前のラインアウトモールを起点に大型FWにゴリゴリやられ2トライを献上。残り10分で5-15となった。しかしここから、悪い流れを断ち切り主将の水野を中心に攻めて10-15、そしてロスタイムに17-15と逆転する。本当にこの逆転は素晴らしかった。

 しかし東大もまだまだ諦めてくれない。ロスタイム残り数分からラインアウトモールを押し込まれノーサイド寸前でトライを奪われた。

 結果は負けてしまったが、アタック、デフェンス、そして気迫でも水野組の最終戦に相応しいゲームを見せてくれたと思う。

ただ、本日のbetter sideは東大だったのだろう。


水野 武 (4回 主将 西大和学園) CTB

 とにかく気持ちで負けるな、今年の全てを出し切れ、そう言って試合に臨みました。今思えば今年初めてのシーソーゲームでした。なかなかペースを掴めませんでしたが我慢し続け、最後には逆転まで行きました。しかし最後の最後に失点し負けてしまいました

 試合後には今まで泣いてるところなど見たことがなかった選手含め、たくさんのメンバーが涙を流していました。それだけこの東大戦は特別な試合なのだと再度実感しました。

大学生活ラストゲームで勝ちを飾れなかったことは残念ですが、今回の負けを忘れずに京大にはこれからももっと進歩してほしいと思っています。

 最後になりますが、秩父宮という素晴らしい舞台を準備してくださった東大ラグビー部関係者の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。



東京大学コメント  


青山 和浩監督

 試合に臨むにあたり、負けてはいけないライバル京大に対して、自分たちが積み上げてきた全てを出し切る試合をして欲しいと願った。予想以上にFWは優位に立つことが出来て、試合を優勢に進めることが出来たが、京大の厳しいタックルに押されて得点が出来ず、苦しかった。時折、自信を持つディフェンスに穴が空き、失点した。終盤に逆転を強いられ、厳しい状況となった時は、対抗戦で味わった嫌なシーンを回想した。しかしながら試合終了直前の相手のゴール前のマイボールラインアウトをしっかり確保でき、F Wの押し込みで得点できたことはこのゲームの象徴となった。大切な時にミスが出なかったことにチームの成長を感じた。京大の気迫のタックルには伝統の強さを感じた。

 東大の得点は全てF Wであり、京大の得点はBKという双方の特徴を存分に出す試合内容であったが、互いを意識し、良い気持ちの緊張感で試合ができるこの定期戦の価値を感じた。京都大学には申し訳ないが、勝つことができて、コロナ禍での東大の2年間の蓄積を証明することができた。


杉浦育実(キャプテン 4年 本郷)SO

 100周年の節目で秩父宮という大舞台の中、京都大学という最大のライバルとラグビーをさせて頂けたことを本当に嬉しく思います。また、京都大学は個人的にも1・2年生の頃悔しい敗戦を喫し、3年生ではコロナで試合が中止と、4年間で1度も勝ったことの無い相手であり、4年生の最後に勝利することが出来て最高でした。

 例年、A戦は拮抗した試合展開となりますが、今年も例に漏れず激しい攻防が続きました。FWで優位に立ち何度もトライチャンスを得ながらも京都大学の激しいディフェンスに苦しめられ、キックを使った自在なアタックに終盤逆転されるなど本当に最後まで拮抗した闘いでした。しかし、試合終了間際に再逆転となるモールでのトライができたのはやはり、今年継続して取り組んできたフィジカルの強化とコンタクト練習が最後に実を結んだのだと思います。

 京都大学というライバルがいるからこそ、対抗戦シーズンが終わってもより一層引き締まった練習が出来ました。また、ノーサイドの笛の後の交流も京大戦ならではだと感じました。

 私自身は現役を引退してOBになりますが、今後もこのような素晴らしい関係性が末永く続いていくことを願っております。






B戦

レフリー:原 大雅

<試合結果>

京都大学B  31-29  東京大学B

前半  17-10

後半  14-19


<メンバー>

【京都大学B】

【東京大学B】

1.高嶋智哉(4)天王寺

1.石田健太郎(4)日比谷

2.小向拓未(2)開明

2.三方優介(3)浦和

3.佐藤孔明(2)清真学園

3.池上暁雄(1)International School Bangkok

4.梅園倫太郎(2)神戸

4.岩下大斗(3)桐光

5.西田樹(4)北野

5.河内拓仁(3)東海

​6.朝比奈佑紀(2)神戸

6.内藤晴紀(3)白陵

7.西山恵慈(2)都立国立

7.財木一多(3)開成

​8.田付浩也(2)清風

8.魚住承吾(4)六甲学院

9.野澤朋仁(1)北野

9.前川紘佑(22)大阪星光学院

10.大鶴健(1)灘

10.鈴木陸人(2)浦和

11.荻野晃平(3)静岡

11.橋野渚(2)並木中等教育学校

12.加藤聡(4)明善

12.平岡憲昇(3)麻布

13.日野坪英亮(1)静岡

13.清和悠芽(1)大宮

14.森下湧生(2)北野

14.大山修蔵(3)県立千葉

15.信原壮馬(2)高津

15.國枝健(3)筑波大学附属駒場

16.松井佑太朗(1)桃山学院

16.安富悠佑(2)水戸第一

17.安川和希(3)西大和学園

17.関戸悠真(2)仙台第一

18.横山ルイ(3)静岡

18.塩谷航平(1)本郷

19.宮﨑翔一(3)長崎西

19.池田怜央(1)Lycée Français International de Hong Kong

20.正岡充(3)奈良学園

20.雪竹創太(1)東京都市大学附属

21.柿本大輝(2)六甲学院

21.一木空也(1)西大和

22.平手佑季(4)一宮

22.吉村寿太郎(1)駒場東邦

23.佐野川谷知史(3)大阪星光学院

23.木村デイビス泰志(1)The Aice Smith School

24.平井悠太(2)天王寺

24.田村洋大(1)開成

25.佐川正憲(3)札幌南

▼2021年度 第99回東大定期戦 B戦ダイジェスト映像はこちら

映像協力:東京大学



京都大学コメント


溝口 正人監督

 Aチームの敗戦にショックもあっただろうが、ゲーム前のロッカールームでは4回生を中心に俺たちが水野組のラグビーを証明してやろうと私が何かを言う必要もないぐらいに気合充分だった。

 A戦に引き続きB戦も一進一退のゲーム展開。前半終了時点で17-10。点数こそ拮抗していたが、アタック、デフェンス共に相手を上回っており、私の中では不思議と負ける気がしていなかった。やられるとしたらゴール前のラインアウトモール。ハーフタイムでもこのシチュエーションを作り出さない為に自陣でのペナルティに注意する指示を出した。

 後半も練習の成果を如何なく発揮、各人がその成長を充分に見せてくれたと思う。ただ、注意しようと言っていたラインアウトモールで数本トライを奪われるあたりはまだまだゲーム慣れしていないBチームのデベロップメントポイントだろう。

 シーズン最後のゲームを勝利で終わらせてくれて感謝している。ありがとう。


西田 樹(ゲームキャプテン 4回 北野) LO

 最後の試合、必ず勝ちにいこうという気持ちでチーム一同準備を進めて臨みました。会場が会場ということもあり、試合前吐きそうなほど緊張しましたが、結果的に白星で締めくくることが出来て本当に嬉しいです。間違いなく全員で掴み取った勝利でした。特に、FW全員ですり合わせを重ねたずらしモールを綺麗にトライまでもっていった瞬間の感動は、この先ずっと忘れることは出来ないと思います。

 試合終了後スタンドに目を向けた際に、こんなにもたくさんの方に応援して頂いていたのだと改めて気づき、こみ上げるものがありました。チームメイトや監督団、OB諸氏等々この4年間で関わった全ての方に感謝を伝えたいです。

 最後に、引退試合を秩父宮という素晴らしい舞台で迎えることが出来たこと、関係者の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。



東京大学コメント


青山 和浩監督

 全体的には、双方とも持ち味を十分に出した内容試合であった。下級生が中心のチームで、ディフェンスシステムの威力、縦の突破スピード、モールでトライを積み重ねられた内容には日々の練習の成果を確認でき、大きな成果であった。しかしながら、チャンスでのミス、ペナルティが多く、一つ一つのプレーの完成度を上げるための課題が確認された。特にディフェンス面では、キックによって生じるアンストラクチャへの対応不足。早いリズムでのディフェンスラインのセットの遅れなどの課題も多く、失点に繋がってしまった。

 前半最後のトライ、後半開始直後のトライは不必要なトライであり、この失点が致命的となったことは間違いない。集中力が抜けてしまう悪い癖を無くす精神的な成長が必要である。

 総じては,元気あるプレーが多々あり、2年生、3年生の成長を確認できた良い試合であった。この試合で勝って成長したかったのは正直な気持ちである。


國枝 健(ゲームキャプテン 3年 筑波大学附属駒場)FB

 とにかく悔しい敗戦でした。秩父宮という素晴らしいグラウンドで、京都大学という素晴らしいチームと戦うことができる。最高の環境を整えていただいたのに、勝つことが出来なかった。チーム全員が悔しさを覚えていたと思います。結果は2点差。キャプテンを任された私のコンバージョンキックが2本とも入っていれば勝つことができたと考えると本当に悔しく、自分の至らなさ、準備不足を痛感する試合でもありました。

 試合内容としては、両者とも気合の入ったプレーの応酬で、互いの1年間をぶつけ合うようなゲームだったと思います。しかし、京都大学のキックを用いたアグレッシブなアタックに対して対応ができなかったこと。また、接点での意地のぶつかり合いの執念の部分で東大が京都大学さんに負けていたのだろうと思います。

 今年は必ずABC戦ともに京都大学に勝利を収められるようにチーム全員で精進していきたいと思います。