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068: 小よく大を制す。2018年の東大定期戦(H2 柴野 恭範)

 2022年に100回を迎える京都大学と東京大学との定期戦。平成で最高成績のBリーグ3位となった2018年度の試合は、元日本代表主将の横井章氏も観戦に訪れた。

その試合と交流のようすは、NHKでも放送された。

2018年12月23日 京都大VS.東京大 定期戦(一部)とAMFの映像



 東大との定期戦は、大正11年(1922)に始まった。以来、戦争が激しくなった昭和19年を除き、途切れることなく続いている。

その前年には学徒出陣が決まり、あらゆるスポーツの試合が禁止や自粛を余儀なくされていたが、どうしても試合を実現したいという両校は、一計を案じた。東大が秘かに京都に遠征し、「非公式」として行われたのだ。

 格別の対抗意識、最高の試合をしたいという情熱は、今も脈々と受け継がれている。


それから75年。このエピソードはNHKのドキュメンタリードラマでも取材され、平成の後輩たちの試合も記録された。2018年の両校定期戦は、京大21-19東大の大接戦となった。観戦された元日本代表主将の横井章氏からも温かい賛辞をいただいた。


横井 章さんのブログより

(1970年から5シーズン連続で日本代表主将。CTB 早大卒)

 

 一昨23日、神戸鷹取のグランドで、双方とも数年前にアドバイスしたことがある「京大―東大定期戦」があり、京大OBに誘われたので、珍しく出かけてみた。  すると、レフリーがまた教えたことのある関西学院大出身の下田君だったので「ゲームの流れを止めるなよ」と釘を刺しておいたところ違和感なく、両軍とも力一杯の接戦を、面白く見させてもらった。  特に、身体および身体能力では、東大の方が優勢と思われたが、驚き、嬉しいことに、「小さな京大」が私が推奨の「低い姿勢の肩でいくタックルで、局面を変える」とか、「小粒の8人なのに、まとまったスクラムで圧倒する」など、まさに『小よく大を倒すラグビー』を実してくれて、21-19の大接戦を制したのである。  なお、東大の方も力を抜いていたわけでもなく、ちょっとしたキッカケで、優勢と劣勢が逆転する、即ち、『心と身体が連動するスポーツ・ラグビー』の特徴よろしく、「ゲームを、どう創っていったか」の少しの違いが、大きな要素となったのではなかろうか。

久々に、「学生らしい掛け値なしの全力出し切りゲーム」を観戦出来て爽やかな気分で、帰路についた。




京都大学 VS 東京大学 第97回定期戦


〈試合結果〉

 2018年12月23日(JR西日本総合G)12:00 Kick-Off

レフリー 下田絋朗

京都大学A   21  -  19  東京大学A

前半  7  -  12

後半 14  -  7


メンバー

【京都大学A】

【東京大学A】

1.森谷拓冬(4)仙台第三

1.山口恭平(2)國學院久我山

​2.森本勇輝(4)神戸

2.清水快(4)浦和

3.齋藤瑞輝(4)仙台第一

3.川北康平(4)灘

4.窪田悠斗(4)吉田

4.矢野航平(2)千葉

5.永島健太郎(4)熊本

5.宮原健(4)済々黌

6.田中祐輝(4)筑紫丘

6.望月航平(4)灘

7.石田貴一(3)本郷

7.寳島立之助(2)旭丘

8.鈴木賢人(3)函館ラ・サール

8.原虎之助(2)灘

9.竹田将克(4)膳所

9.鎌田明宏(4)海城

10.桑田智史(3)大手前

10.三浦太郎(4)日比谷

11.古元泰地(4)明和

11.江崎敬(4)筑紫丘

12.安部武(3)大分舞鶴

12.杉浦育実(1)本郷

13.有澤善大(4)仙台第二

13.石川悠太(4)玉川学園

14.水野武(1)西大和学園

14.荒木裕行(4)灘

15.沼田章良(4)大手前

15.藤井雄介(2)桐蔭中等

16.志村大智(M2)甲陽学院

16.山田允(4)麻布

17.山田康策(2)明和


18.森野達平(4)兵庫

​18.高橋勇河(3)旭丘

19.奥山一慶(3)茨木

19.中須秀鳳(3)鶴丸

20.伊藤佳樹(2)明和

20.浦山裕矢(4)芝浦工業大柏

21.原彩斗(2)旭丘

21.垣内太郎(1)桐光

22.服部翔悟(4)大阪桐蔭

22.倉上僚太郎(2)國學院久我山

23.寺島康平(3)浦和

23.河合純(3)桐明

【京大コメント】

溝口 正人監督

 うちも決して悪い出来ではなかったのですが、今日の東大さんの気迫、プレーの正確性は抜群だったと思います。最後の最後まで勝敗の分からない素晴らしいゲームでした。でも、最終的に勝てるのが有澤組の凄さだと思います。

 一年間、ご声援ありがとうございました。


有澤 善大(キャプテン 4回 仙台第二)CTB

 勝ちたいという一心で練習の強度を落とさず、追い込み続けた甲斐がありました。最後までどちらが勝ってもおかしくない展開でしたが、今年の持ち味の粘り強さを最終戦でも出すことができました。この1年間本当にたくさんの方にグラウンド足を運んでいただき、応援していただきました。皆様の声援が力になりました。ありがとうございました。おかげさまで最高のシーズンを過ごすことができました。



▼2018年度・有澤組 京大A 対東大A 定期戦の動画はこちら




〈試合結果〉

 2018年12月23日(JR西日本総合G)13:50 Kick-Off

レフリー 辻宏伸

京都大学B   80  -  12  東京大学B

前半 45  -  7

後半 35  -  5


メンバー

【京都大学B】

【東京大学B】

1.宮田墾(2)金沢桜丘

1.石田健太郎(1)日比谷

2.石井大智(4)須磨学園

2.中須秀鳳(3)鶴丸

3.山田康策(2)明和

3.岩崎裕紀(1)静岡

4.森野達平(4)兵庫

​4.本田陸(1)宇都宮

5.濱本伊武樹(2)六甲

5.永山隼平(1)日比谷

6.古座岩祐樹(4)大阪桐蔭

6.高橋勇河(3)旭丘

7.奥山一慶(3)茨木

7.櫻井政宏(3)西

8.伊藤佳樹(2)明和

​8.岡本侑樹(1)清真学園

9.原彩斗(2)旭丘

9.津田遼大(1)北野

10.山田有基(2)旭丘

10.河合純(3)桐明

11.小粥康平(3)堀川

11.甲斐豊(1)湘南

12.服部翔悟(4)大阪桐蔭

12.倉上僚太郎(2)國學院久我山

13.寺島康平(3)浦和

13.今塩屋亮太(1)桐光

14.岡村洸篤(4)西大和学園

14.北野公一郎(1)西大和

15.松本和樹(1)浦和

15.松井大岳(2)神大付属

16.高嶋智哉(1)天王寺

16.山田允(4)麻布

17.宮田直輝(2)県立千葉

17.河本皓亮(5)灘

18.西田樹(1)北野

18.松永迪之(5)春日部

19.齊藤卓也(2)旭丘

19.浦山裕矢(4)芝浦工業大学

20.高原彰吾(1)大阪桐蔭

20.藤平遼(4)千葉

21.鹿取溫希(2)山口

21.垣内太郎(1)桐光

22.音成兼光(3)明善

22.松本純輝(1)聖光学園

23.酒井寛太朗(1)東大寺学園

23.石川貴之(5)洛南

24.平田叡佑(5)灘


【京大コメント】

溝口 正人監督

 最終戦でBチーム最高のゲームを見せてくれました。全てのプレイヤーを出場させましたが、出る選手、出る選手が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる、来期に向けて楽しみなゲームでした。いい年越しが出来そうです。

服部 翔悟(4回 ゲームキャプテン 大阪桐蔭)CTB

 ゲームキャプテンとして一年間B戦の試合に出させていただきましたが、勝つことができなく辛い時期もありました。夏合宿上智大学戦でメンバーが楽しそうに試合をしており、この方針でよかったのだと思いました。皆が楽しそうにラグビーをできてるのが最高のプレゼントでした。4年間ありがとうございました。



▼2018年度・有澤組 京大B 対東大B 定期戦の動画はこちら

※Bチームのキックオフは動画開始から約22分後です。





100周年の集い


 1922年1月10日15時15分 旧制三高グラウンドで、第1回京大・東大戦がキックオフされ

た。以来100年にわたり両大学間の熱い戦いと交流が継続してきた。

 100年目の1月10日、旧制三高グラウンドの代わりに下鴨神社「ラグビー第一蹴の地」(

雑太社)に両校ラグビー部OB有志が集まり、100年にわたり諸先輩がラグビーに注がれた情熱に感謝し、両校ラグビー部のさらなる発展と友交を祈念しご祈祷をいただき、同

時刻にキックオフの笛を吹いて参拝した。

前列左から

小野田 昭英(京大S52)、湯谷 博(京大S47)、加藤 雪香(京大S45)、水田 和彦(京大S50)、山田さん(東大OB)、桑原さん(東大OB)、古賀さん(東大OB)、大谷さん(東大OB)、福島さん(東大OB)

後列左から

坂井さん(東大OB)、清野 純史(京大S56)、水田 時彦(京大S52)、願野 行弘(京大S56)、南出 聡(京大S52)、神主さん、山内さん(東大OB)

レフリー経験のある加藤(S47)が100年前のキックオフ時間に合わせてホイッスル。 (OB有志:左側京大、右側東大)

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